えぇ、そりゃとてもとても美しく散ってきました
そうですね、あの時の光景は本当に照り輝く太陽の如く眩しかったです

と、いうわけで大会はまけました。

自分で言うのもなんですが、かなり盛り上がってましたね
ある意味うちの学校で一番盛り上がった試合かもしれません。

録画して教材ビデオにして、学校に譲渡したいぐらいです

うちの学校の最後の生き残りが私達だったわけで、そうなると応援も大集結
そのうえ試合をしているのが私(部活のアイドル☆)
こりゃもう盛り上がるしかないでしょ

日も沈みかけた逢魔時、その日最後の試合が始まる
選手入場である…
4人の選手が堂々とコートにはいってくる
それぞれの手にはラケットと水分が握られている

対戦相手の一人はジュース
もう一人は水筒(中身は多分お茶だろう)
私の相棒であるフロド君はスポーツウォーター
そして最後の一人は、ほんの少し残ったカルピス(残り2cmぐらい)
もちろん最後の一人は私です。正直喉の足しにもなりません。
しかもカルピスはラベルが剝してあるので、相手選手にとったら謎の白い液体です。

これは何かあるぞ、このわずかしかない白い液体は何かあるぞ!

相手はそう思ったことでしょう。

さまざまな疑念を相手に抱かせ、試合は始まる

まずは相手のサーブからです。
さぁどんなサーブでも打ち返してやるぜ…いや撃ってやるぜ
「おっしゃあぁぁぁっぁあああ」
意味もなく叫ぶ孔雀、湧き上がるうちの学校の応援席

特に気にした風もなく相手がサーブのモーションにはいります。

ダブルフォルトでした。
これは、嬉しいんですけど、こちらとしてもどう反応すればいいのか微妙なところですね

0-15

さぁ、今度はフロド君が相手のサーブをレシーブする番です。
相手のサーブは、先ほどとは違い、普通に入ってきました。
ですが、フロド君は上手く対処してくれます。流石ですね…

そのままラリーになったが、点を取られる
15-15

これは不味いですね…、私も気合いを入れなくては…
「うっひゃああぁぁぁああ」
恍惚の表情で叫ぶ孔雀 

私のレシーブ
美しく決まる、
そのまま詰まった球をフロド君がスマッシュでかち込む
当然取れない相手
15-30

「よっしゃぁぁぁぁああ、かっこいいい!!!」

叫ぶ孔雀
「コォォォォォッォォオオオン」
手でキツネの形を作り、謎の雄たけびを上げる孔雀
「ワー」
盛り上がる…というより爆笑している味方スタンド
「よっしゃー」
いつもより若干高めのテンションで駆け寄ってくるフロド君
―パチン
と思いっきりハイタッチをかます

「いてっ」
「いたぁっ」
孔雀とフロドは右手を負傷した

そのままズルズルとゲームは進みますが、このゲームは取られました
ゲーム 0-1 (先に6ゲーム取ったから勝ちです)

ですが、大丈夫です
何といっても次は私がサーブの番です
コートをチェンジして、サーブを始める
「うらっ!」
これも美しく決まります、幸先のいいサーブですね
もちろん詰まった球はフロド君が美しく決めてくれます
うん、実に結構。雅なショットだ
15-0

さて、逆クロス側のサーブ。
こっち側のサーブでは私は秘儀を使うことができます
私のオリジナルサーブ「ダグラ殺し」
あまりにも不思議な回転で不思議な軌道を描き、不思議なバウンドをする、とにかく不思議なサーブです。
そうですね、少しトロピカルな感じがするサーブです。
そのあまりの奇怪なフォームゆえに顧問の先生に1年前に使用を禁止されたサーブ
今こそ禁を破りましょう

サーブの構えを取る
「おい、あの構え!」
「おっしゃー、ダグラ殺しくるぞぉっぉおお」
「おぉぉっぉおぉおっ」
盛り上がるスタンド

1.打つ
2.不思議な軌道を描く
3.入る
4.不思議な回転をする
5.相手は取れない
30-0

「コォォォッォオッォォオオン!!!」
再び雄たけびを上げる孔雀
「………ぇ?」
動揺する相手
そうですね、こんなサーブ初めてですもんね

そしてそのあと、サーブは結構絶好調でこのゲームは取る
「カッコイイトコみ~せてぇぇえ!」
意味不明なセリフを叫ぶ孔雀
ゲーム 1-1

そして、再び私たちのレシーブ
前衛ががら空きのコースに打ち込んだり、ショートクロスにかち込んだりと神プレーを連発してあっさりとゲームを取る
ていうか、私が点を取るたびに盛り上がりすぎだろ外野
ゲーム 2-1
勝ち越してます

チェンジコートです。
チェンジコートの際には3分間の休憩をとることができます。
ベンチに座る4人
「おい、カルピスでるぞぉぉぉお」
なぜか私がカルピスを手にした瞬間盛り上がる我が校のスタンド
残り少ないカルピス、上手く配分しなくては試合で持ちません
ほんとに少しだけ飲んで、ベンチを立ちます

次のゲーム、フロド君のサーブです。
フロド君は安定した何とも無難なサーブを決めてくれます
が、細かいミスが連続で出てしまい、とられます。
2-2

レシーブ
取られます
2-3

私のサーブ
再びダグラ殺しが決まり、点を取る
苦笑する相手
「おい、ここ変なサーブするやついるぞ」
集まってくる関係ない学校のやつら
が、やはりとられてしまいます。
いえ、とくにミスはありませんでした。
とりあえず長いデュースでした
2-3

私たちのレシーブ
ここらで審判のミスが連発
そのうえコールミスも連発されます。(私達が5-1で負けてるとかいうふざけたコールを始める)
一度6人(選手+審判2人)で話し合いになります。
審判のミスで調子が落ちるフロド君
「コォォォッォオオオンン」
意味不明なステップ(文字では説明できません、とにかくものすごいステップです)を踏みまくる孔雀
それを見てテンションが上がる外野
噴き出す相手
が、やはり誤審のせいで調子が落ちたこともあり、ショボミスを出してしまいます
ゲーム 4-2

「コォォッォオオン」
必要以上にすさまじいフェイント(これ以上は言葉では説明できません。ふんふんディフェンスに少し似てますね)をかける孔雀
やはり盛り上がる外野
うちの顧問「面白い試合やなぁ」
それは、見ごたえがあるのか、可笑しいという意味なのかどっちだったんでしょう

と、まぁ、そんな感じでダラダラと試合をしてたんですが、結局負けてしまいました。

終わったあとに先生とか仲間達が駆け寄ってきて労ってくれましたね
ネタを挟みつつ、よくお前らのテニスをした!
と
えぇ、確かに負けたのは悔しいですが、相手は刻んだでしょうね。
今日の試合を。



そんなかんじで、私達の部活は終わりました。
決して全力を出せたとは思ってないけど、面白かったのでOKですね。
部員達もみな、一番いい試合だったと褒めてくれましたし